
いうことの問題につながるご質問かと思います。 私は、基本的にその可能性、その危険性、不安を感じ、自らの問題として、その問題を考えるということがこの問題に取り組む出発点だと思っています。 誰かが慈善事業で安全保障を考えてくれるわけではありません。自分で守るという努力をして、なおかつそれがうまくいかない場合に、他に呼びかけるということによって、力強い具体的な政策、安全保障の対策が生まれるのではないかと思います。 したがって、それぞれの国でまずは自国の問題を考えることが問題の出発点ではないかと思います。 チャダー:リソースパーソン(インド) 人材養成に関してのご質問について。 今、ご紹介したのは、インドの農業政策すべての内容ということではなく、その要点だけをお話ししました。私どもが起案しました農業政策には、人材養成のことも述べられています。ですから人材開発ということも入っています。 谷津義男議員(日本) 国会議員の立場からFAOの世界食料サミット、そしてまた、その人口と食料に関して、アジアの戦略について話をしてみたいと思います。 世界の人口増加率は、近年低下の傾向にありますが、人口の絶対数は今後とも発展途上国を中心に大幅に増加するのではないかと思われます。特にアジアにおいて増加するものと思われます。それに対し、食料の需要動向はアジアでは、高い経済成長を遂げた東アジアに加えて、近年急速な成長を遂げているASEAN諸国、中国などを中心に今後とも比較的高い経済成長が持続すると見込まれます。これらの地域では、伝統的な食生活、パターンを維持しつつも、最近、畜産物の消費の拡大と、食生活が高度化してきています。このために、人口の増加に伴う、食料消費の増加に加えて、畜産物の消費の拡大によるトウモロコシなどの飼料作物の増加が大幅に見込まれると思われます。 こういう面から見ますと、農業生産の動向と食料の需給という問題が、大きくクローズアップされてくるのではないかと思います。その中で「緑の革命」以後、自給力を高めたアジア諸国も畜産物の消費の拡大に伴う飼料穀物の需要の増大を自国内で生産をまかなうということは困難になってきていると思われます。 また一方では、都市化、工業化の進展、あるいは農地の荒廃、砂漠化、塩類集積などによる減少、環境悪化によって農業基盤がかなり弱くなってきているという感じがしています。そういう面から見ますと、中・長期的な食料の需要の動向は、人口の増加や経済の成長に伴ういわゆる、食料の需要の大幅な動向が見込まれる一方で、農業
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